サービスが気になる方は 資料ダウンロードする 寄附額の目安を知りたい方は 寄附額をシミュレーション
企業版ふるさと納税

企業版ふるさと納税の会計処理と仕訳の方法 | 局面別の仕訳例と決算時の注意点を紹介

企業版ふるさと納税 会計処理 仕訳

企業版ふるさと納税を活用するにあたって、会計処理や仕訳をどのように行うべきか迷う経理担当者は少なくありません。個人のふるさと納税と異なり、法人の経理処理では費用計上・損金算入・税額控除の複数の処理が絡み合います。

この記事では、寄附時・受領証受領時・決算時・申告時という局面ごとの仕訳例と、勘定科目の選び方・会計ソフトでの管理方法まで、実務に即して解説します。

企業版ふるさと納税をご検討の方

株式会社ホープ(東証グロース・福証 Q-Board上場)
のグループ会社
として、
累計寄附成立件数 5,200件超の実績をもとに、
企業の目的に合わせた
最適な寄附スキームをご提案します。

資料カセット
自社に必要なことがすぐわかる
無料で資料をダウンロード

最短1分でシミュレーションしたい方は、
「寄附額シミュレーター」もご検討ください。

目次

企業版ふるさと納税の会計処理の基本

企業版ふるさと納税の会計処理を正しく行うためには、「会計上の処理」と「税務上の処理」を分けて理解することが重要です。それぞれの取り扱いは異なりますが、両者が連動する部分もあります。

寄附金として費用計上する原則

企業版ふるさと納税による支出は、会計上「寄附金(費用)」として計上します。損益計算書では営業外費用または特別損失として表示することが一般的です。費用の認識タイミングは「支出(振込完了)が完了した日」が原則であり、申込日や承認日ではありません。

実務上は「寄附金」の科目名称よりも、実際の支出方法と計上日付の正確性が重要です。振込完了日を必ず銀行の振込明細書で確認し、帳簿の仕訳日付と一致させることが申告書作成・税務調査対応の基本となります。

会計上は費用・税務上は損金算入と税額控除の併用処理

会計上の処理(寄附金費用の計上)と税務上の処理(損金算入・税額控除)は独立した手続きです。会計仕訳で費用計上した後、①法人税の申告書で損金算入(地方公共団体への寄附として全額損金算入)を行い、②専用の別表(別表6(22)等)に記載して税額控除を申告します。

税額控除の適用は申告書への記載によって初めて効力を持ちます。会計帳簿に仕訳を計上するだけでは税額控除は受けられないため、申告書の作成を確実に行うことが重要です。

損金算入により課税所得が減少する効果(実効税率分)と、税額控除による直接的な税額の減少という二重の節税効果が企業版ふるさと納税の特徴です。これらは会計上の費用認識とは独立して申告書で処理されるため、経理担当者は仕訳と申告書の両方を正確に管理することが求められます。

企業版ふるさと納税で使用する勘定科目の選び方

企業版ふるさと納税の支出をどの勘定科目で処理するかは、税務上の取り扱いと社内管理の両面から判断します。

寄附金として処理するのが基本

企業版ふるさと納税による支出は「寄附金」勘定科目で処理するのが原則です。税務上も「地方公共団体への寄附金」として全額損金算入の対象となり、さらに別表への記載で税額控除が適用されます。会計上の勘定科目と税務上の区分を一致させておくことで、申告書作成時の集計が正確かつ効率的になります。

複数の種類の寄附金がある法人では「寄附金(企業版ふるさと納税)」のように補助科目を設定することで、一般寄附金・特定公益増進法人への寄附金と区別して管理できます。この区別は申告書(別表14(2))の作成時に役立ちます。

広告宣伝費や交際費として処理できるケース

原則として企業版ふるさと納税は「寄附金」で処理しますが、状況によって他の勘定科目が使われることもあります。ただし企業版ふるさと納税は「経済的利益の受け取り禁止」が制度上の要件であるため、広告宣伝費として処理する場合は宣伝効果の対価として寄附しているわけではないことに注意が必要です。

地元企業が地域の活性化プロジェクトに協賛する形で寄附し、地域住民への認知向上が付随的に見込まれる場合でも、その主たる目的は地域への貢献であるため「寄附金」処理が適切です。勘定科目の選択が税務上の取り扱いを変えるわけではありませんが、帳簿の整合性と申告書との一致のために「寄附金」を使うことが最も安全で一般的な選択です。

なお、企業版ふるさと納税の利用企業は年々増加しており、業種ごとに「CSR費」「社会貢献費」などの勘定科目を設定して処理するケースも見られます。いずれの科目名を使う場合でも、法人税申告書では「地方公共団体への寄附金(全額損金算入)」として処理することを忘れずに行ってください。

勘定科目の選択が税務上の取扱いに与える影響

会計上の勘定科目(例:寄附金か広告宣伝費か)が税務上の区分を自動的に決めるわけではありません。税務上の取り扱いは支出の実態に基づいて判断されます。ただし、実態に合わない勘定科目で処理していると税務調査での説明に手間がかかります。

企業版ふるさと納税は「地方公共団体への寄附金」として税務上の優遇が認められているため、帳簿上も「寄附金」として記録し、申告書の記載と一致させておくことが実務上の原則です。

企業版ふるさと納税の寄附時の仕訳例

以下の仕訳例はすべて100万円の寄附を前提としています。支出方法や計上のタイミングによって仕訳が異なります。

銀行振込で寄附した場合の仕訳

最も一般的な支出方法は銀行振込です。振込が完了した日(銀行口座から資金が引き落とされた日)に費用として計上します。

(借方)寄附金 1,000,000 / (貸方)普通預金 1,000,000

振込完了日が損金認識の基準日となるため、振込日付が「当期内」であることを振込明細書で確認することが重要です。特に事業年度末に近い振込は、銀行の処理日程によって翌期扱いになるリスクがあるため、早めの手続きを心がけましょう。

現金で寄附した場合の仕訳

現金を直接渡して寄附する場合(自治体窓口への持参等)は次のように仕訳します。

(借方)寄附金 1,000,000 / (貸方)現金 1,000,000

現金で寄附した場合は、現金出納帳および受領書の日付と仕訳の日付を必ず一致させます。現金の授受が確認できる書類(受領書等)を保管しておくことが、税務調査対応のうえで不可欠です。

未払金として計上する場合の仕訳

月末に寄附の申込を完了し、翌月初に振込する場合など、費用の発生と実際の支払いが異なる期に生じる場合があります。この場合、申込時点で未払金として計上することがあります。

申込時: (借方)寄附金 1,000,000 / (貸方)未払金 1,000,000

振込時: (借方)未払金 1,000,000 / (貸方)普通預金 1,000,000

ただし、税務上の損金認識は振込(支出)が完了した日の属する事業年度です。もし申込が当期・振込が翌期である場合、会計上は当期費用でも税務上は翌期の損金となるため、一時差異(税効果会計の対象)が生じます。

人材派遣型企業版ふるさと納税の仕訳

企業版ふるさと納税には、金銭の寄附ではなく社員を自治体に派遣する「人材派遣型」があります。この場合、派遣された社員の給与等のうち自治体業務に充当された部分が、実質的な寄附(現物寄附)に相当します。

給与は通常通り計上します: (借方)給与 1,000,000 / (貸方)未払給与 1,000,000

派遣コスト相当の寄附金認識(別途の場合): (借方)寄附金 1,000,000 / (貸方)給与(振替)1,000,000

人材派遣型の具体的な会計処理は法人の方針・契約内容・税務上の認識額によって異なります。正確な処理については税理士への確認が必要です。

人材派遣型の場合、派遣された社員の給与・社会保険料・派遣管理コストなどのうち、どの範囲を「企業版ふるさと納税」として認識するかは法人の判断によります。税務上の寄附金認識額(控除計算の基礎となる金額)については、所管省庁や国税局への事前照会を行うことが安全です。

企業版ふるさと納税の寄附後の会計処理

寄附金の振込後、受領証の受領・確認・保管という一連の手続きが必要です。新たな仕訳は発生しませんが、書類管理と帳簿との突合が実務上の重要なステップです。

寄附金受領証を受領した時点での処理

寄附先の自治体から「寄附金受領証」が郵送されます。受領証の受け取り自体は新たな会計仕訳を生じさせません(すでに振込時に費用計上済みのため)。受領証は申告書に添付または保管するための書類として取り扱います。

受領証が届いたら、①受領証の記載内容(自治体名・寄附日・寄附金額)が帳簿の仕訳と一致しているかを確認し、②保管フォルダに入れて管理します。受領証は税務申告書の添付書類または保存書類として機能するため、大切に保管してください。

受領証の発行タイミングは自治体によって異なります。寄附から数週間後に届く場合もあれば、数か月かかる場合もあります。申告期限(事業年度終了後2か月以内)が近い場合は、寄附直後に自治体の担当者に発行時期を確認し、必要に応じて早期発行を依頼することをおすすめします。

受領証と振込日付の整合性確認

受領証に記載されている「寄附日」と、帳簿に記録されている「振込日(普通預金の引き落とし日)」が一致していることを確認します。日付の不一致は税務調査時に指摘されるリスクがあります。

特に年度末ギリギリの寄附では、振込の完了日(銀行引き落とし日)が翌事業年度にずれ込んでいないかを振込明細書で確認することが重要です。受領証の日付が当期内でも、実際の振込が翌期完了であれば翌期の損金扱いとなります。

受領証管理と会計帳簿の突合

期末に受領証と会計帳簿の寄附金仕訳を一覧で突合し、受領証が揃っているかを確認します。複数の自治体に寄附した場合は、自治体ごとに受領証と仕訳が対応しているかをチェックリストで管理すると漏れを防げます。

突合確認は申告書作成前に行うことで、添付書類の不備や日付の不整合を早期に発見できます。受領証の未着がある場合は、申告期限前に自治体に発行を催促してください。

企業版ふるさと納税の決算時の会計処理

決算時には寄附金の損金処理・税額控除の申告・税効果会計への対応という複数の処理が集中します。それぞれの関係を正確に把握することが適正な決算処理につながります。

決算月に寄附を行う場合のタイミング管理

決算月(たとえば3月決算なら3月)に寄附を行う場合、振込の完了が事業年度内(3月31日以前)になるよう確実にスケジュールを管理します。銀行の処理時間・振込締切時間・土日祝日などを考慮して、少なくとも数営業日の余裕を持つことが重要です。

決算月は会計部門の業務が集中するため、寄附の手続きが後回しになりがちです。寄附先の自治体との調整・稟議承認・振込手続きのフローを前倒しで進めることをおすすめします。

決算期をまたぐ寄附の処理

当期に申込・承認を経て、実際の振込が翌期に完了する場合、税務上の損金認識は翌期になります。この場合、会計上で当期に「未払金/寄附金」を計上していれば、当期会計費用と翌期税務損金という一時差異が生じます。

税効果会計を適用している場合は、この一時差異に対して繰延税金資産を認識する処理が必要です。一時差異が解消される見込み(翌期に振込完了・損金算入)が合理的に見込まれる場合に繰延税金資産を計上します。

税効果会計における寄附金の扱い

企業版ふるさと納税の寄附金(振込済みのもの)は損金算入されるため、会計上の費用計上と税務上の損金算入が一致します。この場合、一時差異は生じないため繰延税金資産・負債の計上は原則不要です。

一方、税額控除(法人税・法人住民税・法人事業税からの直接控除)は「永久的な税負担の軽減」であり、一時差異ではありません。税額控除の効果は当期の「法人税等」を直接減少させる処理として認識します(繰延税金資産は計上しない)。

税効果会計を適用している法人では、法人税等の計算において税額控除額を考慮した最終的な税率の影響を適切に反映することが必要です。税額控除の会計上の扱いについては、自社の税効果会計方針と整合しているかを公認会計士・税理士と事前に確認することをおすすめします。

申告調整による損金不算入額の認識

企業版ふるさと納税は地方公共団体への寄附として損金算入限度額の制限なく全額損金算入されるため、申告書別表4での「加算(損金不算入)」調整は不要です。一般寄附金の限度額超過に伴う加算処理とは異なる点を混同しないよう注意してください。

ただし、企業版ふるさと納税の税額控除の対象外となる寄附、たとえば本社が所在する地方公共団体への寄附や、不交付団体である東京都・不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村への寄附などについては、制度上の税額控除を受けられません。 

企業版ふるさと納税の内部統制と監査対応における留意点

上場企業や大企業では内部統制・会計監査・税務調査への対応を意識した会計処理と書類管理が求められます。以下のポイントを押さえておきましょう。

寄附決定プロセスの社内承認記録

企業版ふるさと納税は一定金額以上の費用支出であるため、社内の承認フロー(稟議書・役員決裁等)に従った意思決定プロセスを経ることが必要です。承認を経た稟議書・決裁書類は、寄附の実在性と正当性を証明する内部統制上の証拠書類となります。

「誰が」「いつ」「どのプロジェクトに」「なぜ」寄附を決定したかを記録することで、監査・税務調査時に明確な説明が可能になります。

受領証や申請書類の保管期間

寄附金受領証・振込明細・稟議書類・申告書の控えは、法人税法上の帳簿書類の保存期間(原則7年)にわたって保管します。電子データで管理する場合は、電子帳簿保存法の要件を満たした方法で保存することが必要です。

受領証の発行が遅れた場合(寄附から数か月後に届くケースも)でも、振込明細と突合できるよう、書類を時系列で管理しておくことが重要です。

会計監査で確認される寄附金関連項目

会計監査では、寄附金の費用計上について実在性(実際に寄附が行われたか)・正確性(金額・期間が正しいか)・表示の適切性(損益計算書上の分類・開示が適切か)が確認されます。稟議書・受領証・振込明細が揃っていると監査対応がスムーズです。

大企業では、企業版ふるさと納税を通じた社会貢献活動をCSR・統合報告書等に記載することがあります。開示内容と会計帳簿の金額が一致していることを確認してください。なお、監査法人からは「費用の合理性」「経営者との利益相反の有無」「寄附先選定プロセスの合理性」なども確認される場合があります。

税務調査でチェックされやすい論点

税務調査では「適用要件を満たしているか」「受領証と帳簿の整合性」「別表の記載漏れ・誤り」「自社所在地や不交付団体への寄附が含まれていないか」といった点が確認されます。特に控除要件(青色申告法人・認定プロジェクト・10万円以上)のチェックが重点的に行われます。

また、人材派遣型の企業版ふるさと納税では、派遣コストの算定根拠・実際の業務従事内容・業務委託と寄附の境界の明確性なども確認されることがあります。これらに備えて社内の取り決め・業務報告書・タイムシート等の書類を整備しておくことが、調査対応上の重要な準備となります。

企業版ふるさと納税の会計ソフトでの入力と運用

企業版ふるさと納税の仕訳・管理を効率的に行うには、会計ソフトの設定と運用を工夫することが有効です。

主要会計ソフトでの勘定科目設定

freee会計・弥生会計・マネーフォワードクラウド会計など主要ソフトでは、勘定科目「寄附金」が標準で用意されています。初期設定で「寄附金」勘定科目がない場合は、「営業外費用」カテゴリの下に新たに追加します。勘定科目コードは、既存の費用科目と区別できるコード体系で設定することを推奨します。

税申告ソフトと連携している場合は、会計ソフトの「寄附金」勘定科目が申告書の寄附金計算に自動連携されるか確認してください。連携設定が正しくないと、申告書作成時に手動での入力・修正が必要になります。

補助科目や摘要欄を活用した管理方法

「寄附金」勘定科目に「補助科目:企業版ふるさと納税」を設定することで、一般寄附金・特定公益増進法人への寄附金と区別して集計できます。申告書(別表14(2))への転記時に区分ごとの合計額をすぐに把握できるため、申告書作成の効率が上がります。

摘要欄には「○○市・△△プロジェクト・寄附日」のように、自治体名・プロジェクト名・寄附日を記録することをおすすめします。後から仕訳を検索・照合するときの精度が高まり、受領証との突合も容易になります。

複数年度にわたって企業版ふるさと納税を実施する法人では、年度別の補助科目(例:「企業版ふるさと納税2024」「企業版ふるさと納税2025」)を設定することで、年度ごとの実績集計が容易になります。IR・CSR報告書への記載でも、年度別の数字をすぐに抽出できる仕組みを整えておくことが実務上の効率化につながります。

仕訳の検索性と再現性を確保する工夫

企業版ふるさと納税の仕訳を効率的に管理するには、仕訳データの検索性と再現性を高めることが重要です。摘要欄のフォーマット(例:「企業版ふるさと納税 ○○市 R6年12月」)を社内で統一し、検索キーワードで瞬時に抽出できるようにします。

さらに、寄附年度ごとに書類フォルダ(紙または電子)を作成し、受領証・振込明細・稟議書・申告書控えをセットで保管する仕組みを整えることで、翌年以降の申告作業も効率化できます。前年の対応をテンプレート化して担当者間で共有することもおすすめです。

まとめ

企業版ふるさと納税の会計処理は、振込完了時に「(借方)寄附金 / (貸方)普通預金」と費用計上することが基本です。税務上は全額損金算入に加えて法人税・住民税・事業税からの税額控除が申告書(別表)を通じて適用されます。

受領証の管理・決算期をまたぐ処理の確認・税効果会計への対応など、局面ごとの適切な処理を理解したうえで、会計ソフトの設定や書類管理の仕組みを整えることが経理業務の効率化につながります。

企業版ふるさと納税をご検討の方

株式会社ホープ(東証グロース・福証 Q-Board上場)
のグループ会社
として、
累計寄附成立件数 5,200件超の実績をもとに、
企業の目的に合わせた
最適な寄附スキームをご提案します。

資料カセット
自社に必要なことがすぐわかる
無料で資料をダウンロード

最短1分でシミュレーションしたい方は、
「寄附額シミュレーター」もご検討ください。