企業版ふるさと納税

企業版ふるさと納税は「未来への投資」──NEXT ONEが歩む社会課題解決への道

社会にとって本当に必要な価値を問い続け、事業を通じて課題解決に挑む株式会社NEXT ONE。
同社が企業版ふるさと納税を「未来への投資」と位置づけて取り組む背景には、利益と社会性を両立させる確かな信念がありました。

その実践から見えてきた企業の新しい社会貢献のかたちを、代表取締役 斉藤徹 様に伺いました。

ー まずはじめに貴社の事業内容と、その背景にある想いを教えてください。

■ コンシューマープラットフォーム事業
私たちは、電力供給を起点に、通信やパーソナルセーフティなどの生活インフラを統合し、10万人規模のユーザー基盤を持つコンシューマープラットフォームを展開しています。

生活者一人ひとりの「今必要なもの」が、迷わず・すぐに・ストレスなく使える状態を目指し、日常生活の利便性・快適性・安全性をトータルに最適化しています。
電力自由化以降、多くの新規参入企業が価格競争に軸足を置き、複雑な料金体系や一時的な割引策でシェア拡大を図ってきました。
しかしその一方で、生活者の側には「選択肢の多さゆえの迷い」や、「契約時の手続きの煩雑さ」に対するストレスが生まれています。

NEXT ONEはそうした市場構造に対し、価格ではなく“体験”で選ばれる電力サービスを提供することを目指しています。
・電力の即日開通を可能にするスピード対応体制
・申込から利用開始までを最小限の手間に抑えるオペレーション設計
・問い合わせ対応の品質向上による「不安ゼロ」のUX構築
これらを通じて、お客様の生活導線に寄り添い、“必要なときに、必要なサービスがすぐに届く”体験価値を提供しています。
エネルギーは単なる商材ではなく、社会インフラそのものであり、人々の生活や企業活動の根幹を支えるものです。
だからこそ、NEXT ONEは「安さ」ではなく「安心」「なめらかさ」「迷いのなさ」といった“電力UX”の質的価値で勝負するプラットフォームとして、社会の持続性と信頼構築に貢献していきます。
サービスページはこちら▶https://nx1.co.jp/service/platform/

■ 障がい者雇用支援事業:社会課題を事業として解決する「共創型モデル」へ
日本が抱える構造的課題――地方の過疎化、空き家問題、そして労働人口の減少。こうした未解決のテーマに対して、企業として正面から向き合い、持続可能な解決策を提示したい。これが、当社が障がい者雇用支援事業に取り組み始めた原点です。

現在、障がい者手帳を保有している方は全国に約1,000万人存在します。一方で、企業に課せられている障がい者の法定雇用率は2.5%。この数字は2026年には2.7%へと引き上げられる予定です。
多くの企業がこの雇用率の達成を目的として障がい者を雇用していますが、実際の現場では、
・受け入れ態勢の整備に対する不安
・業務内容とのミスマッチ
・定着率の低さや評価制度の不備
といった複合的な課題に直面しており、結果として“雇うこと”自体が目的化してしまっているのが現状です。
さらに、障がいのある方々の多くが、依然として低賃金かつスキルアップ機会の乏しい環境に置かれている事実も看過できません。

こうした社会構造の歪みに対し、私たちは「スマート農園型の雇用創出モデル」を通じた具体的な解決に取り組んでいます。
当社が運営する施設では、1000坪規模の土地に冷暖房完備の農業用ハウスを建設し、障がいの程度や特性に応じて、葉物から根菜類まで段階的に作業内容を調整。生産性と成長性を両立した環境を構築しています。
また、IoTや環境センサー等のスマート農業技術を積極的に導入し、作業効率の最適化と個別支援の高度化を実現。就労支援スタッフや看護師など専門職による伴走型の支援体制も整備しており、単なる雇用にとどまらず、「共に生産し、共に成長していく」仕組みづくりに注力しています。

私たちが目指すのは、ハンディキャップの有無にかかわらず、誰もが自分の足で、自分のペースで、働きながら自己実現できる社会です。
この事業は、障がい者雇用の“義務”を“価値”に変え、企業と個人の可能性を最大化する社会的インフラとなることを目指しています。
サービスサイトはこちら▶https://me-gu-ru.net/lpdesign/

その他、株式会社NEXT ONEについて詳細はこちら
・コーポレートサイト:https://nx1.co.jp/
・コスモウォーター(販売代理):https://cosmo-water.net/cosmowp/
・ハミングウォーター(販売代理):https://humming-water.com/
・新日本エネルギー:https://nj-e.jp/

ー そもそも、企業版ふるさと納税を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

自治体向けにさまざまな支援サービスを提供されているホープ様(ジチタイリンクの親会社)から企業版ふるさと納税制度をご紹介いただき、「寄附」という形で自治体に貢献できる仕組みがあることを知りました。

当社は東京に本社を構える企業ですが、この制度を通じて、税収が限られ過疎化が進む地域にも間接的に貢献できることに強い意義を感じ、寄附の取り組みを開始いたしました。
私たちは、営利企業として利益の最大化を追求する一方で、社会貢献は「義務」ではなく「意志による選択」であり、企業活動の自然な一部として存在すべきものだと考えています。
社会貢献活動は一見するとコストに見えるかもしれませんが、実際には社員の誇りや仕事への意義を醸成し、結果としてブランド価値の向上、人材の定着、地域との信頼構築など、企業経営の基盤そのものを強くする力があると確信しています。
短期的な損益にとどまらず、中長期的な視点で見れば、社会に対する還元こそが企業にとって最大のリターンであると私たちは信じています。

今後も「利益」と「社会的価値」の両立を一過性の取り組みではなく、日常の営みとして事業に根付かせていけるよう、継続的に取り組んでまいります。

ー 寄附先はどのように選定していきましたか?

寄附先の選定においては、単なる地域名や知名度ではなく、自治体側が提示されているプロジェクトの実効性・公共性・地域への波及効果を重視しています。

具体的には、以下のような観点を大切にしています。
・地域の人口減少・過疎化といった構造的課題に取り組んでいるプロジェクトかどうか
・子育て支援や教育、医療・福祉、再エネなど、地域住民の生活に直結するテーマに対して持続可能な効果があるか
・自治体側の熱量や誠実な情報発信が感じられるか(プロジェクト設計の明確さ、成果報告の有無など)

たとえばある自治体では、障がい者雇用の支援インフラを地域に構築するプロジェクトを立ち上げており、当社が行っている事業とも親和性が高いと感じたため、強く共感して寄附を決定しました。
また、ある町では、若年層の定住促進のための教育支援制度を創設しようとする試みに対し、民間からの支援を求めていたことから、「未来を支える世代への投資」という観点で賛同し、寄附を実施しました。

私たちにとって寄附は単なる資金提供ではなく、自治体との信頼関係構築と、地域にとって本当に価値のある変化を後押しすることが目的です。
今後も、プロジェクトの社会的インパクトと企業としての想いの共鳴度合いを軸に、寄附先を選定してまいります。

ー 実際に寄附をして、どのような効果を感じましたか?

率直に申し上げて、企業版ふるさと納税を通じて自治体に貢献できたことは、想像以上に充実感のある体験でした。
単なる「寄附行為」ではなく、自社が社会の一員として“責任ある関わり方”を選択できたという実感があります。

社員に対して直接アンケートを取ったわけではありませんが、社内で寄附の話題を共有した際には、
「うちの会社、こういうこともやってるんだ」
「自分の仕事が少しでも地域の役に立っているのかも」
というような、小さな誇りや共感の空気が生まれていたと感じています。
私たちは営利企業として利益を追求する立場にありますが、そのプロセスにおいて社会との接点を持ち、地域への還元を仕組みに乗せて行うことは、企業文化としても非常に意味のある取り組みでした。
今後も、こうした社会価値のある取り組みを“例外”ではなく“日常”にできるよう、地道に続けていきたいと考えています。

ー 逆に不安に感じた点はありませんでしたか?

もちろん、初めての取り組みということもあり、一定の金額を寄附することに対しては、社内でも慎重に検討を行いました。
特に、税額控除の仕組みや手続きの流れが複雑に見える部分もあったため、制度そのものへの理解が浅いうちは若干の不安があったのも事実です。

しかし、ジチタイリンク様に丁寧にご説明いただいたことで、税制面でのメリットや、寄附が実際にどのように地域で活用されるのかが明確になり、最終的には「これはコストではなく“投資”である」と判断できました。

また、私たちは短期的な損得だけで判断しない経営を志向しており、社会貢献が中長期的に企業価値を高めるという信念を持っています。
寄附を通じて得られる“目に見えにくい価値”──たとえば社員の誇りやブランドロイヤルティ、自治体との関係性など──は、金額以上の意味を持つと確信しています。
結果として、寄附をして良かったという実感のほうが圧倒的に大きく、不安よりも納得感が上回る取り組みとなりました。

ー どのような企業に企業版ふるさと納税をおすすめしたいですか?

企業版ふるさと納税は、特に以下のような企業におすすめしたいと考えています。
・利益を出しているが、社会貢献活動にまだ本格的に踏み出せていない企業
・地方創生やSDGsなど、社会課題への関心はあるが、何から始めるべきか模索している企業
・ESG経営・人的資本経営・企業ブランディングを重視している成長企業

この制度の良い点は、「税制優遇」「地方支援」「企業価値向上」が同時に実現できるという設計にあることです。
一見するとコストに見える寄附も、制度を理解し戦略的に活用すれば、財務的にも、組織文化的にも、十分にリターンのある取り組みになります。
また、地方に拠点がない企業でも、制度を通じて地域と関われるため、都市部の企業が“地域とつながるきっかけ”としても非常に有効だと思います。
私たち自身も、利益と社会性の両立に悩んできたからこそ、この制度を通じて「志を事業に乗せる手段」としての可能性を感じています。
迷っている企業こそ、一度小さな金額からでも始めてみることを強くおすすめします。

ー ジチタイリンクでは企業版ふるさと納税において自治体と企業のマッチングをおこなっています。今後のジチタイリンクへ期待することはありますか?

ジチタイリンク様には、企業と自治体の間に立つ“つなぎ手”として、非常に丁寧かつ迅速な対応をしていただき、安心して寄附を進めることができました。
制度そのものへの理解が深まっただけでなく、各自治体の特色や課題感を客観的に教えていただけたことも、寄附先の選定において大変助かりました。

今後さらに期待したいのは、以下のような点です。
・寄附後の「見える化」の強化
 自治体ごとのプロジェクトの進捗や成果、現場の声などを、企業側にも定期的にフィードバックしていただける仕組みがあれば、より“寄附の意義”を実感でき、継続意欲も高まると感じます。
・企業の志と自治体のニーズの“マッチング精度”の向上
 例えば、企業側の事業領域や理念と親和性の高いプロジェクトをレコメンドしていただくなど、提案の精度をさらに高めていただけると、単なる寄附を超えた“共創的関係”が生まれる可能性があると感じています。
・横断的な成功事例の共有
 他の企業や自治体の成功事例や工夫が共有される場があれば、寄附が単発ではなく、より戦略的・継続的なものになると思います。

引き続き、ジチタイリンク様には、企業と自治体の未来をつなぐ「共創のハブ」として、制度運用と価値創出の両面でリードしていただけることを期待しております。

ー 今後、寄附を通じて貴社が目指す展望についてお聞かせいただけますか?

私たちが企業版ふるさと納税を通じて目指すのは、単なる「社会貢献活動」ではなく、“企業の意思が社会構造に働きかける”という共創の形です。

寄附は、ただ資金を提供する行為ではありません。
企業としての“ありたい姿”や“信じる価値観”を地域社会に届ける、意思表示の一つだと考えています。
特に私たちは、都市部に本社を構える立場として、人口減少・財源不足・障がい者雇用・教育機会格差など、地方に集中する課題に正面から向き合い、解決に関わっていきたいと考えています。
だからこそ、企業版ふるさと納税を通じて、そうした地域に“想いとリソースを届ける仕組み”を今後も広げていきたいと思っています。

将来的には、単なる寄附にとどまらず、
・地域での雇用創出(障がい者雇用や就労支援)
・地方発の新規事業共創
・教育・福祉・エネルギーの分野での現地連携プロジェクト
など、より実働を伴うかたちで地域と共に未来をつくる企業でありたいと考えています。
寄附は手段であり、目的は「企業が社会の解像度を高めていく」こと。
これからも、私たちが信じる価値を、言葉ではなく行動で届けていきたいと思っています。

ー 最後に、企業版ふるさと納税の寄附を検討されている企業の方々へ、メッセージをお願いします。

企業として利益を追求することと、社会に価値を還元することは、決して相反するものではありません。
むしろ、企業版ふるさと納税のような制度を活用することで、「事業の延長線上で、持続可能な貢献ができる」道がひらけると、私たちは実感しています。

最初は不安や迷いがあるかもしれません。
しかし、制度の仕組みを理解し、信頼できるパートナーと連携することで、その一歩は驚くほど自然に踏み出せるものです。
寄附は単なる支出ではなく、地域との信頼関係を築き、社員の誇りを育て、企業のブランドをつくる投資でもあります。
そして何より、「自社の価値観に沿った形で、社会とつながることができる」素晴らしい機会です。
迷っている企業の方こそ、ぜひ一度小さな一歩からでも始めてみてください。
その先に見える景色は、きっと“社会の一員としての企業の新しい姿”だと思います。