企業版ふるさと納税の申告書の書き方は?手続きの流れや添付書類も紹介
企業版ふるさと納税を活用すると、地方創生に貢献しながら法人税や地方税の優遇措置を受けることができます。しかし、税額控除を受けるには正しい申告手続きが必要です。
本記事では、申告書の書き方や必要な添付書類、手続きの流れをわかりやすく解説します。
企業版ふるさと納税の税軽減の仕組み

企業版ふるさと納税は、地方創生を支援するための制度であり、企業が地方自治体に寄附を行うことで、法人税や地方税の軽減を受けることができます。この制度の最大の魅力は、寄附金額に応じた税額控除が受けられる点です。
具体的には、寄附を行った企業は、その寄附金額の一部を法人税から控除することができ、さらに地方税においても優遇措置が適用されます。
税軽減の仕組みは、寄附金が認定地方公共団体の事業に活用されることを前提としています。これにより、企業は地域の活性化に貢献しつつ、税負担を軽減することが可能となります。
また、寄附金の使途が明確であるため、企業の社会的責任(CSR)を果たす一環としても評価されることが多いです。
さらに、企業版ふるさと納税は、寄附を行った企業に対して、地域からの感謝状や特産品の贈呈などのインセンティブが用意されている場合もあります。これにより、企業は地域とのつながりを深めることができ、地域経済の発展に寄与することが期待されています。
企業版ふるさと納税の寄付手続きの流れ

企業版ふるさと納税を利用する際には、寄附手続きが重要なステップとなります。ここでは、具体的な手続きの流れを4つのステップに分けて解説します。
申請書を自治体に提出する
企業版ふるさと納税を利用するための第一歩は、申請書を自治体に提出することです。この申請書は、寄附を行う自治体の公式ウェブサイトからダウンロードすることができ、必要事項を記入した後、郵送または電子申請で提出します。
申請書には、企業の基本情報や寄附金額、寄附の目的などを明記する必要があります。
提出する際は、自治体の指定する期限を守ることが重要です。期限を過ぎてしまうと、寄附金が税額控除の対象外となる可能性がありますので、早めの手続きを心がけましょう。
また、申請書の記入内容に不備がないか、再度確認することも大切です。特に、法人番号や代表者名、寄附金の使途などの情報は正確に記入する必要があります。
申請書を提出した後は、自治体からの確認連絡を待ちます。この確認が取れた段階で、寄附手続きが正式に進行することになります。自治体によっては、申請書の審査に時間がかかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。
なお、当サイトでは目的に合わせた寄附先の選定や、自治体で必要な手続きなどについて無料でサポートいたします。本サイト内のフォームから申請が可能なため、ご興味がある場合はぜひお申し込みください。
自治体と納付の方法や時期を調整する
企業版ふるさと納税の寄附手続きにおいて、自治体との納付方法や時期の調整は非常に重要なステップです。この段階では、寄附を行う自治体と直接コミュニケーションを取り、具体的な納付方法や納付時期について合意を形成します。
まず、寄附を希望する自治体に連絡を取り、納付方法を確認します。一般的には、銀行振込やクレジットカード決済、現金書留など、複数の選択肢が用意されています。企業の状況や好みに応じて、最も適した方法を選ぶことができます。
次に、納付の時期についても調整が必要です。寄附金の納付時期は、企業の財務状況や予算計画に影響を与えるため、慎重に決定することが求められます。自治体側も、寄附金の使途やプロジェクトの進行に合わせて、納付時期を調整することがあるため、双方の意見を尊重しながら話し合いを進めることが大切です。
このように、自治体との納付方法や時期の調整は、企業版ふるさと納税を円滑に進めるための重要なプロセスです。しっかりとしたコミュニケーションを図り、納得のいく形で手続きを進めることが、成功への第一歩となります。
受領書を受け取る
企業版ふるさと納税の寄附手続きにおいて、受領書の受け取りは非常に重要なステップです。寄附を行った後、自治体から発行される受領書は、税額控除を受けるための証明書として機能します。
この受領書には、寄附金額や寄附先の自治体名、寄附日などの詳細が記載されており、確定申告の際に必要となります。
受領書は、寄附を行った後、通常は数週間以内に自治体から郵送されます。もし受領書が届かない場合や、内容に誤りがある場合は、速やかに寄附を行った自治体に連絡し、確認を行うことが重要です。
受領書が手元にないと、税額控除を受けることができず、せっかくの寄附が無駄になってしまう可能性があります。
また、受領書は大切な書類であるため、紛失しないように保管することが求められます。デジタル化が進む現代では、受領書をスキャンしてデジタルデータとして保存することも一つの方法です。
これにより、物理的な書類を管理する手間を省くことができ、必要な時にすぐにアクセスできる利点があります。
税の申告手続きを行う
企業版ふるさと納税を利用した後は、税の申告手続きを正確に行うことが重要です。この手続きは、寄附金に対する税額控除を受けるための必須ステップとなります。まず、受領書を基に寄附金額を確認し、法人税や地方税の申告書に必要な情報を整理します。
法人税の申告書には、寄附金の額やその内訳を記載する必要があります。特に、認定地方公共団体に対する寄附については、特別控除の対象となるため、正確な記入が求められます。また、地方税の申告書にも同様に寄附金額を記載し、税額控除を受けるための手続きを行います。
申告書の提出期限は、法人税の場合は決算期から2ヶ月以内、地方税の場合は各自治体によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。これらの手続きを怠ると、税額控除を受けられなくなる可能性があるため、注意が必要です。
最後に、申告手続きが完了したら、控除が適用された税額を確認し、今後の経営計画に活かすことが重要です。
企業版ふるさと納税の確定申告時の添付書類

企業版ふるさと納税を利用する際、確定申告を行うためには必要な添付書類を準備することが重要です。これらの書類は、税額控除を受けるための根拠となるため、正確に揃えておく必要があります。主に必要となる添付書類は、法人税と地方税に関連するものです。
ここでは、企業版ふるさと納税の確定申告時の添付書類について紹介します。
法人税
法人税の場合、確定申告書に「認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税の特別控除に関する明細書」を添付する必要があります。
この明細書には、寄附金の金額や控除額の計算根拠が記載されているため、正確に記入しなければなりません。また、寄附先の自治体から発行される「寄附金の受領書」は、提出する必要はないものの、納税者で保存しておく必要があります。
地方税
企業版ふるさと納税を利用することで、法人税だけでなく地方税においても優遇措置を受けることが可能です。具体的には、寄附を行った企業は、寄附金額に応じて地方税の税額控除を受けられます。
地方税の場合、住民税及び事業税の確定申告書に下記を添付します。
- 特定寄附金を支出した場合の税額控除の計算に関する明細書(第7号の3様式、第20号の5様式)
- 受領書の写し
1は各自治体のホームページで取得が可能です。また、寄附先の自治体から発行された受領書の写しも必要なため、紛失しないようしっかり管理しましょう。
企業版ふるさと納税の申告書の書き方

企業版ふるさと納税を利用する際、正確な申告書の作成は非常に重要です。申告書の書き方を理解することで、税額控除をスムーズに受けることができます。
続いて、各申告書の具体的な書き方について解説します。
認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税の特別控除に関する明細書
法人税の特別控除に関する明細書は、下記の手順で記入を進めると記入漏れや計算ミスを防ぎやすくなります。
- 〔19欄〕に特定寄附金の金額を記入
- 〔1欄〕〔2欄〕〔6欄〕を記入
- 〔11欄〕〜〔18欄〕で適用要件の判定(〔2欄〕が〔18欄〕を上回るかを確認)
- 〔3欄〕〜〔5欄〕を記入
- 〔7欄〕〜〔10欄〕をまとめる
各欄の記入方法は下記の通りです。
| 〔1欄〕特定寄附金額 | 〔19欄〕に記載した各寄附金の合計を記入 |
| 〔2欄〕税額控除基準額 | 〔1欄〕の金額に20%を掛けた金額(小数点以下切捨)を記入 |
| 〔3欄〕差引税額控除基準額残額 | 〔2欄〕から〔18欄〕を差し引いた金額(マイナスなら0)を記入 |
| 〔4欄〕特定寄附金基準額 | 〔1欄〕の金額の10%(小数点以下切捨)を記入 |
| 〔5欄〕税額控除限度額 | 〔3欄〕と〔4欄〕のいずれか小さい方を記入 |
| 〔6欄〕調整前法人税額 | 別表1(1)の〔2欄〕法人税額を記入 |
| 〔7欄〕当期税額基準額 | 〔6欄〕の5%(小数点以下切捨)を記入 |
| 〔8欄〕当期税額控除可能額 | 〔5欄〕と〔7欄〕の小さい金額を記入 |
| 〔9欄〕調整前法人税額超過控除額 | 特例を適用しない場合は空欄 |
| 〔10欄〕法人税額の特別控除額 | 〔8欄〕から〔9欄〕を差し引いた額(マイナスなら0)を記入 |
| 〔11欄〕調整前法人税額 | 〔6欄〕で記載した「調整前法人税額」をそのまま転記 |
| 〔12欄〕法人税額調整加算額 | 「土地譲渡利益への課税額」や「使途秘匿金」など、特別な項目がある場合にその金額を記入 |
| 〔13欄〕法人税額調整減算額(中小企業者等以外) | 「中小企業者に該当しない法人」が特定の設備投資などを行い、税額控除を受ける場合に記入 |
| 〔14欄〕法人税額調整減算額(中小企業者等) | 中小企業者の場合、試験研究費や雇用促進設備など、法人税の特別控除があれば合計額を記入 |
| 〔15欄〕仮計 | 〔11欄〕+〔12欄〕-〔14欄〕(中小企業の場合) ※中小企業でなければ、14欄ではなく13欄を差し引く |
| 〔16欄〕控除対象個別帰属調整額等 | 特殊な租税措置法により別途控除対象となる項目がある場合のみ記入 |
| 〔17欄〕住民税額控除額の計算の基礎となる法人税額 | 〔15欄〕-〔16欄〕※ただし、その金額が〔12欄〕の金額より少ない場合は〔12欄〕の金額を記入 |
| 〔18欄〕住民税額控除額 | 法人住民税の控除額を算出して記入 |
特定寄附金を支出した場合の税額控除の計算に関する明細書 第7号の3様式
税額控除の計算に関する明細書 第7号の3様式の書き方は、下記の通りです。
| 法人名 | 申告する法人の正式名称を記入 |
| 1. 特定寄附金に関する明細 | 地方公共団体から交付された受領証の内容をそのまま正確に転記 |
| 2. 特定寄附金額の按分の計算 | 複数の都道府県や特別区、市町村に事務所や事業所を持つ法人が記入 |
| 適用する事業税の分割基準(事業税(イ)、都民税(ハ)) | 第10号様式と同様の内容を記入 |
| (ロ)の欄 | 「②の欄の特定寄附金額」を「⑥の(イ)の分割基準数値」で割り、得た単位当たり額に「③(イ)」を掛けた金額を記入 ※端数は1円未満切捨 |
| (ニ)の各欄 | 「②の欄の特定寄附金額」を「⑥の(ハ)分割基準数値」で割り、1人当たり額を算出後、「③(ハ)、④(ハ)、⑤(ハ)」を掛けた金額を記入 ※端数は1円未満切捨 |
| 特定寄附金の額(事業税⑦) | 複数の都道府県に事業所を持つ場合は③(ロ)を記載、それ以外は②を記入複数基準の場合は③(ロ)の合計を記入 |
| 控除額(事業税⑧) | 1円未満の端数は切り捨て |
| 控除対象事業税額(⑨) | 第6号様式40、第6号様式(その2)48、第6号様式(その3)○54の金額を記入 |
| 特定寄附金の額(都民税⑫) | 2以上の都道府県や特別区と市町村に事務所等を持つ場合は③(ニ)の金額、その他は②の金額を記入 |
| 控除額(都民税⑬) | ⑮と⑰の合計額を記入 |
| 東京都に申告する場合の計算(⑭〜⑰) | 下記の内容に従い記載(端数は1円未満切捨) |
| ⑭の欄 | ・特別区の事務所等がある法人→②欄の金額 ・特別区+道府県(都内市町村なし)の法人→③(ニ) ・特別区+都内市町村がある法人→④(ニ)特別区に事務所なし→「0」 |
| ⑯の欄 | ・都内市町村のみ事務所等がある法人→②欄の金額 ・都内市町村+道府県(特別区なし)の法人→③(二) ・特別区+都内市町村がある法人→⑤(ニ)都内市町村に事務所なし→「0」 |
| ⑰の欄 | ⑯の欄の金額×5.7%の金額を記入 |
| 税額控除上限額(⑲) | 1円未満の端数切捨 |
この明細書は、地方税法に基づき「法人事業税額」から控除を受ける際に必要です。提出する際は、寄附金の受領書の写しの添付も忘れずに行いましょう。
特定寄附金を支出した場合の税額控除の計算に関する明細書 第20号の5様式
税額控除の計算に関する明細書 第20号の5様式の書き方は、下記の通りです。
| 法人名 | 申告する法人の正式名称を記入 |
| 1.特定寄附金に関する明細の各欄 | 受領書に記載された内容を転記 |
| 2.特定寄附金額の按分の計算(③と④) | (1)③(イ)は第22号の2様式と同じ内容になるよう記入 (2) ③(ロ)は、②欄を④(イ)の数値で割って1人当たり金額を出し、③(イ)の数値を掛けて按分額を算出 (3) ③(ロ)の金額に1円未満の端数があれば切り捨てて記入 |
| 特定寄附金の額⑤ | 2つ以上の市町村に事務所等を有する法人は③(ロ)の金額、それ以外は②の金額を記入 |
| 控除額⑥ | 1円未満の端数がある場合は切り捨てて記入 |
| 控除対象法人税割額⑦ | (1)2つ以上の市町村に事務所等を有する法人:第20号様式の⑥欄の金額から第20号の②の金額を控除し、残額を記入 (2) その他の法人:第20号様式⑤欄から②欄を控除した金額を記入 |
| 税額控除上限額⑧ | 1円未満の端数がある場合は切り捨てて記入 |
この明細書は、地方税法に基づき「法人住民税」から控除を受ける際に書きます。第7号の3様式と同様に受領書の写しが必要なため、忘れずに添付しましょう。
まとめ
企業版ふるさと納税は、地方創生に寄与しながら税の軽減を図ることができる有効な手段です。寄付を通じて地域の発展に貢献するだけでなく、法人税や地方税の優遇措置を受けられるため、企業にとっても大きなメリットがあります。
ただし、税額控除を受けるためには、正確な申告手続きが不可欠です。また、申請書の提出から受領書の受け取り、税の申告手続きに至るまでの流れを理解することも重要です。法人税や地方税に関する添付書類も忘れずに準備し、スムーズに申告しましょう。