経営者必見!法人税の節税対策一覧【15選】|最強な方法を紹介
法人税の負担を軽減するためには、制度を正しく理解し、自社に合った節税対策を選ぶことが重要です。税額控除や損金算入といった基本的な仕組みを押さえるだけでなく、制度の更新や最新の動向にも注意を払う必要があります。
この記事では、役員報酬や共済、保険の活用など、経営者が実践しやすい節税対策を15種類紹介していきます。
法人税の節税対策一覧【15選】

法人税の負担を軽減するには、さまざまな節税対策を活用する必要があります。これから紹介する対策を実施して、税負担を軽減し、企業の資金繰りを改善しましょう。
ここでは、経営者が実践しやすい法人税の節税対策を15種類紹介します。
1.役員報酬を適切に設定する
役員報酬の設定は、法人税の節税対策において非常に重要な要素です。
適切な報酬を設定することで、法人の利益を圧縮し、結果的に税負担を軽減することが可能になります。役員報酬は、法人の経費として損金算入されるため、税務上のメリットがあります。
まず、役員報酬を設定する際には、業績や役員の職務内容に応じた適正な金額を考慮することが大切です。過度に高額な報酬は税務署からの指摘を受けるリスクがあるため、注意が必要です。
また、報酬の見直しは定期的に行い、業績に応じた柔軟な対応が求められます。
2.決算賞与を活用する
決算賞与は、法人税の節税対策として有効な手段です。
決算賞与とは、決算期において業績に応じて支給される賞与のことです。通常の賞与とは異なり、支給のタイミングが決算に合わせられるため、税務上のメリットがあります。決算賞与は損金算入が認められるため、法人税の課税所得を減少させる効果があるのです。
この制度を利用するには、法人税基本通達9-2-43に則り、決算賞与の支給額や支給対象者を明確に定める必要があります。また、支給の基準や方法についても、事前に取締役会や株主総会で決議を行うことが必要です。これにより、税務署からの指摘を避けることができます。
さらに、決算賞与を支給することで、従業員のモチベーション向上にもつながります。業績が良い年には、従業員に還元することで、企業全体の士気を高めることができるため、経営者にとっても一石二鳥の施策と言えるでしょう。
ただし、決算賞与を活用する際には、業績に見合った適切な金額を設定することが重要です。過剰な支給は、逆に税務上のリスクを招く可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
参考:国税庁|No.5350 使用人賞与の損金算入時期
3.事前確定届出給与を利用する
事前確定届出給与は、法人税の節税対策として有効です。
この制度を利用することで、役員に対する給与を事前に確定し、税務署に届け出ることができます。これにより、事前に決定した金額を損金として計上することが可能になります。
この制度の最大のメリットは、臨時の役員賞与なども損益参入でき、税負担を軽減できる点です。事前確定届出給与を利用することで、予想以上の利益が出た場合でも、あらかじめ設定した給与額を損金として計上できるため、法人税の負担を抑えられます。
ただし、事前確定届出給与を利用する際、届出は決算期の前に行う必要があり、期限を過ぎると適用されなくなります。また、届け出た金額は実際に支給する必要があるため、計画的な給与設定が求められます。
4.少額減価償却資産の特例制度を活用する
少額減価償却資産の特例制度も、法人税の節税対策として有効です。
この制度を利用することで、一定の金額以下の資産を購入した際に、その全額を購入した年度の経費として計上できます。これにより、課税所得を減少させ、法人税の負担を軽減することが可能です。
令和6年度の税制改正により、少額資産の即時償却の対象となる金額が引き上げられ、30万円未満の資産が対象となっています。このため、パソコンやオフィスの備品、機械設備など比較的低額な資産を購入する際には、この制度を活用することが特に効果的です。
また、即時償却を行えば資産の購入にかかる初期投資を早期に回収できるため、キャッシュフローの改善にも寄与します。経営者は、資産の購入計画を立てる際に、この制度を意識し、適切なタイミングで少額資産を購入することが重要です。
ただし、本特例は資本金1億円以下の中小企業等に限られ、かつ年間の合計適用額が300万円までという制限があります。資産の管理や記帳が必要となりますので、しっかりとした記録を残すことが求められます。
参考:中小企業庁|令和6年度税制改正(中小企業関連)、国税庁|No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
5.経営セーフティ共済に加入する
経営セーフティ共済は、中小企業が経営上のリスクに備えるための制度です。正式名称は「中小企業倒産防止共済制度」となっており、この共済に加入すると、万が一の事態に備えた資金を確保できるほか、法人税の節税にもつながります。
具体的には、取引先企業が倒産した場合、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高8,000万円)で回収困難な売掛債権等の額以内の共済金の「貸付け」が受けられます。共済金の掛金は損金として計上できるため、課税所得を減少させる効果があるのです。
経営セーフティ共済は、毎月一定額を積み立てることで、必要なときに共済金を受け取れます。経営者にとって安心感を提供するだけでなく、税務上のメリットも享受できるため、有効な節税対策と言えるでしょう。
また、経営セーフティ共済は加入条件が比較的緩やかで、手続きも簡単です。中小企業の経営者にとって、リスク管理と税負担の軽減を同時に実現できる魅力的な選択肢となります。
参考:中小企業庁|中小企業倒産防止共済制度について
6.法人向け保険を利用する
法人向け保険は、経営者や企業にとって有効な節税対策の一つです。法人が保険に加入することで、保険料を損金として計上できるため、課税所得を減少できます。
特に、生命保険や医療保険、損害保険など、さまざまな種類の保険が法人向けに提供されており、それぞれのニーズに応じた選択が可能です。
例えば、役員や従業員の生命保険に加入することで、万が一の際の保障を確保しつつ、保険料を経費として計上できます。法人が加入する医療保険は、従業員の健康管理にも寄与し、結果的に企業の生産性向上にもつながります。
また、法人向けの損害保険は事業運営におけるリスクを軽減し、安心してビジネスを展開するための重要な要素となります。
ただし、法人向け保険を利用する際には保険の内容や契約条件を十分に理解し、自社の経営戦略に合った保険や税務上適正である商品を選ぶことが重要です。適切な保険を選ぶことで、節税効果を最大限に引き出し、企業の財務状況を健全に保てるでしょう。
7.広告宣伝費を前倒しで使う
広告宣伝費は、企業が市場での認知度を高め、顧客を獲得するために欠かせない経費です。この広告宣伝費を前倒しで使うことで、法人税の負担を軽減できます。
具体的には、年度内に必要な広告費を前もって支出することで、その分を損金として計上し、課税所得を減少させることが可能です。
例えば、通常の年度末に計上する予定の広告費を決算前に支出することで、早期に経費として認識できます。これにより、当期の利益を圧縮し、法人税の負担を軽減できます。
ただし、広告宣伝費を前倒しで支出しても、翌期に実施される広告である場合には「前払費用」として翌期に繰延処理され、当期の損金とはなりません。当期内に実施される広告についてのみ、その支出を損金として計上できる点に注意しましょう。
8.オペレーティングリースを導入する
オペレーティングリースは、企業が必要な設備や機器を所有することなく、リース会社から借りる形で利用する方法です。この手法の最大のメリットは、資産を購入する際の初期投資を抑えられることです。
特に、設備投資が大きな負担となる中小企業にとっては、資金繰りを改善する有効な手段となります。
オペレーティングリースを利用すれば、リース料は経費として損金算入できるため、法人税の負担を軽減することが可能です。さらに、リース契約の期間が終了した後は最新の設備に切り替えられるため、技術の進歩に迅速に対応できる点も魅力です。
ただし、オペレーティングリースを導入する際は、契約内容やリース料の設定に注意が必要です。
リース料が市場価格と大きく乖離している場合、税務署からの指摘を受ける可能性もあるため、適正な価格設定を心掛けることが重要です。これにより、節税効果を最大限に引き出しつつ、リスクを回避することができます。
9.賃上げ促進税制を活用する
賃上げ促進税制は、企業が従業員の賃金を引き上げることで、法人税の負担を軽減できる制度です。この制度を利用することで、賃上げに対する税額控除が受けられるため、企業にとっては大きなメリットとなります。
具体的には、一定の条件を満たす賃上げを行った場合、その賃上げ分に対して税額控除が適用されます。
この制度を活用するには、中小企業者等の場合、資本金が1億円以下で雇用者給与等支給額が前年度と比べて、1.5%以上増加していること、又は2.5%以上増加していること等の要件があります。
まずは制度を正しく理解して賃上げの計画を立て、従業員の給与を適切に引き上げる必要があるでしょう。
賃上げを行う際には、企業の業績や財務状況を考慮し、持続可能な形で実施することが重要です。また、賃上げ促進税制は、従業員のモチベーション向上にも寄与します。賃金が上がることで、従業員は企業に対する忠誠心を高め、業務への取り組みも一層活発になるでしょう。
結果として、企業全体の生産性向上にもつながるため、賃上げは単なるコストではなく、投資と捉えることができます。
参考:中小企業庁|中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック
10.設備投資減税を利用する
設備投資減税は、企業が新たに設備を購入した際に、その投資額に応じて税額を軽減できる制度です。この制度を活用すれば、法人税の負担を減少できます。
特に、製造業やサービス業などの設備投資が必要不可欠な業種においては、有効な節税対策と言えます。
設備投資減税の主なメリットは、要件を満たした場合、即時償却が利用でき、投資を行った年にその費用を一括で損金算入できる点です。これにより、当期の利益を圧縮し、結果として法人税の負担を軽減できます。
また、特定の条件を満たす設備に対しては、さらに優遇措置が設けられている場合もありますので、最新の情報を常にチェックすることが重要です。
参考:国税庁|No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)
11.決算月の変更を検討する
決算月の変更も、法人税の節税対策として有効です。通常、企業は決算月を年度末に設定することが多いですが、業種やビジネスの特性に応じて、決算月を変更することで税負担を軽減できる可能性があります。
例えば、売上が季節的に変動する業種では、決算月を売上が低い時期に設定することで、利益を平準化し、税金の負担を軽減できます。また、決算月を変更すれば特定の年度における利益を調整でき、法人税の負担を分散させることも可能です。
ただし、決算月の変更には手続きが必要であり、税務署への届出や会計処理の見直しが求められます。これに伴うコストや手間を考慮する必要があるものの、長期的には税負担の軽減につながるため、慎重に検討する価値があります。
決算月の変更を行う際は、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。税理士や会計士と相談し、自社の状況に最適な決算月を選定すれば、より効果的な節税対策を実現できるでしょう。
12.社宅制度を導入する
社宅制度は、法人税の節税対策として有効な手段です。企業が従業員に対して社宅を提供することで、従業員の生活を支援しつつ、法人税の負担を軽減できます。
社宅を提供すれば、住宅手当を支給せずに済む一方、1カ月当たり一定額の家賃(賃貸料相当額の50パーセント以上)を受け取っていれば給与として課税されないメリットがあります。
社宅制度の導入は、優秀な人材の確保や定着率の向上にも寄与します。特に、転勤や異動が多い業種では、社宅を用意することで従業員の負担を軽減し、安心して働ける環境を提供することが可能です。
また、社宅の提供は企業の福利厚生の一環としても評価され、従業員のモチベーション向上にもつながります。
社宅制度を導入する際は、適切な物件の選定や契約内容の確認が重要です。社宅の賃貸契約は、法人名義で行うことが一般的であり、これにより法人税の節税効果を最大限に引き出すことができます。
参考:国税庁|No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき
13.不要在庫の処分を行う
不要在庫の処分も、法人税の節税対策に有効です。
企業が保有する在庫の中には、需要が減少したり古くなったりして価値が下がってしまった商品が含まれていることがあります。これらの不要在庫を適切に処分することで、在庫評価損を計上し、課税所得を減少させることが可能です。
具体的には、不要在庫を売却するか、廃棄することで損失を計上します。売却の場合、売却価格が帳簿価額を下回ると、その差額が損失として認識され、法人税の負担を軽減できます。また、廃棄する場合も廃棄にかかる費用を損金として計上できるため、税負担の軽減につながります。
ただし、不要在庫の処分には注意が必要です。証明書類の添付など適切な手続きを踏まずに処分を行うと、税務署からの指摘を受ける可能性があります。在庫の評価や処分方法については、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
14.短期前払費用の特例を活用する
短期前払費用の特例も、法人税の節税対策に挙げられます。この制度を利用することで、将来の支出を前倒しで経費として計上することが可能です。
具体的には、1年以内に支払うことが確定している費用について、前払いとして処理できるため、当期の利益を圧縮し、結果として法人税の負担を軽減できます。
例えば、広告費や賃貸料など、定期的に発生する費用を前もって支払うことで、その分を今期の経費として計上できます。これにより、税務上の利益を減少させ、法人税の負担を軽くすることができます。
ただし、短期前払費用の特例を適用する際には、支出が実際に1年以内に発生するものであることなど特定の要件を満たす必要があります。
また、この特例を利用する際は適切な記録を保持し、税務署からの問い合わせに備えることも重要です。
15.企業版ふるさと納税を活用する
企業版ふるさと納税は、地方自治体に対して寄附を行うことで、法人税の控除を受けられる制度です。この制度を利用することで、企業は地域貢献をしながら税負担を軽減できます。
具体的には、寄附金のうち、一定の割合が法人税から控除されるため、実質的な税負担を減少できます。
企業版ふるさと納税の魅力は、単に税金を減らすだけでなく、地域の活性化や社会貢献にもつながる点です。企業が寄附を行うことで、地域のプロジェクトや事業が支援され、地域経済の発展に寄与することができます。
また、寄附先の選定においては自社のビジョンや理念に合ったプロジェクトを選べば、企業のブランディングにも寄与できます。
さらに、企業版ふるさと納税は、寄附金の使途が明確であるため、企業の社会的責任(CSR)活動としても評価されやすいです。地域とのつながりを深めることで、企業の信頼性やイメージ向上にもつながるでしょう。
法人税の節税でグレーな対策は避けるべき

法人税の節税対策を考える際は、合法的な手段を選ぶことが重要です。
特に、グレーゾーンに位置する対策は、短期的には税負担を軽減できるかもしれませんが、長期的にはリスクを伴うことが多くなります。税務署の監査や調査が入った際に、グレーな手法が発覚すると、追徴課税やペナルティが課される可能性があります。
また、グレーな対策は企業の信用にも影響を与えます。顧客や取引先からの信頼を失うことは、ビジネスにとって致命的なダメージとなりかねません。
節税対策を講じる際には、法令を遵守し、透明性のある方法を選ぶことが求められます。税理士や専門家のアドバイスを受けながら、合法的な範囲内での節税策を検討することが賢明でしょう。
まとめ
法人税の節税対策は、適切な対策を講じることで企業の財務状況を改善し、将来的な成長を促進することが可能です。ただし、節税対策を行う際には、法令を遵守しグレーな手法は避けることが肝要です。
税務署とのトラブルを避けるためにも、正しい知識を持ち、適切な手続きを行うことが求められます。また、税制は年々変化するため、最新の情報を常にチェックし、自社に最適な対策を見つける努力も必要です。
法人税の節税対策は、単なるコスト削減にとどまらず、企業の競争力を高めるための重要な戦略です。これらの対策を積極的に取り入れ、持続可能な成長を目指しましょう。