ふるさと納税はなぜ10月に規制されたのか?背景・理由・規制の歴史を徹底解説
2025年10月、ふるさと納税のポイント付与禁止が施行されました。「なぜ禁止されたのか?」「どんな経緯があったのか?」——規制の背景や理由を知りたい方に向けて解説します。
この記事では、2025年10月の規制に至った理由・背景と、2019年以降の規制の歴史を中心に解説します。
関連ページ:ふるさと納税のルールが改正!変更点や改正による影響を解説
ふるさと納税の規制内容

ふるさと納税の規制は段階的に進んでいます。ここでは2025年10月・2026年10月の規制内容の概要を確認します。なお、各改正の詳細スケジュールや2027年以降の見通しは上記関連ページをご参照ください。
仲介サイトでのポイント付与を禁止【2025年10月〜】
総務省はふるさと納税の過熱したポイント還元競争を抑制するため、2024年6月28日付けの告示で、2025年10月1日からすべての仲介サイトでの独自ポイント付与を全面禁止すると発表しました。
この規制により、ふるさと納税の利用者はポイント還元を目的とした寄付ではなく、寄付先の自治体や返礼品の内容に基づいて選択することが促進されました。
参考:総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し 【令和6年6月28日付け告示第203号】」
返礼品における地場産品基準を厳格化【2026年10月〜】
2025年6月24日、総務省は「ふるさと納税の指定基準の見直し等」を発表し、2026年10月からは、返礼品に対し「区域内で相応(過半)の付加価値が生じていること」が求められるなど、地場産品基準が厳格化されます。原材料や加工の地域内実施、自治体の広報活動に資するグッズの要件明確化などにより、地域経済への実質的な貢献が重視されます。
参考:総務省「ふるさと納税の指定基準の改正等について」
ふるさと納税の規制が行われた理由

ふるさと納税は、地域活性化や税収確保を狙いとして導入されましたが、寄付額の急増に伴いさまざまな問題点も浮上しました。ここでは、ふるさと納税の規制が行われた理由について解説します。
自治体間の返礼品競争を抑制するため
2019年6月に寄付額の3割以下の地場産品限定の規制が導入され、一旦は競争が沈静化したかに見えました。しかし、近年、都市部の自治体が税収流出を防ぐために高額な返礼品で再び寄付者を誘引し、返礼品合戦が再燃しています。
仲介サイトのポイント還元競争が過熱したため
寄付者を巡る競争が過熱し、サイトごとに高いポイント還元を行う事例が増加しました。寄付目的が「ポイント獲得」に偏る傾向を是正するため、前述のとおり2025年10月から仲介サイトでの独自ポイント付与は禁止され、制度の健全化が図られています。
地場産品の形骸化や産地偽装が相次いだため
一部事業者で産地偽装や非地元原料の混入が発覚し、制度の信頼性が損なわれました。これを受け、2026年10月からは地場産品基準を厳格化。原産地証明や付加価値の区域内算出を求め、地域ブランド保護を強化します。
付加価値や価格設定の不透明さを解消するため
ふるさと納税では、返礼品の価格設定や付加価値の根拠が不明瞭な例が課題となっていました。
新たな基準では、製造者が区域内で価値の過半が生じたことや一般販売価格を証明し、自治体がその内容を公表。透明性と信頼性の確保を図ります。
制度の公平性と信頼性を維持するため
ふるさと納税については、返礼割合3割以内の制限や寄付金の使途公表、総務省による監査体制の強化などを通じて、全国の自治体が共通ルールで運用できる環境が整備されています。
寄付者が安心して地域を応援できる、持続的な制度運営を目指しています。
ふるさと納税の過去の規制内容

ふるさと納税は2019年以降、段階的に制度の見直しと規制強化が行われてきました。ここでは、ふるさと納税の過去の規制内容を解説します。
2019年
2019年の法改正では、自治体間の返礼品競争が過熱する状況を是正するため、返礼品の価値を寄付額の3割以内と厳格に規定しました。指導に従わない高額返礼を継続した4自治体は制度の対象外とされたことも話題となりました。
参考:総務省「ふるさと納税に係る指定制度について」
2023年
2023年の改正では、ふるさと納税制度の公平性を高めるため、自治体が寄付募集にかかる経費の合計費用を寄付金額の5割以下とするよう制限しました。
さらに、熟成肉や精米など返礼品の原材料は必ず当該自治体内で生産されたものに限定。地域ブランドの保護と産地偽装リスクの排除を図り、真に地元を支援する仕組みを追求しています。
参考:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて(通知)」
2024年
2024年10月1日より、ふるさと納税のお礼の品としての宿泊券・旅行クーポンが、以下の基準1〜3すべてに該当するプランについて取り扱い終了となりました。
- 都道府県をまたいで複数の宿泊施設を展開する運営会社
- 運営する宿泊施設に共通のブランド名を冠する
- 1名1泊あたりの費用が5万円(寄付額目安16.6万円以上)を超過
これにより、高級ホテルやリゾート施設が全国規模で展開する宿泊券は対象外となり、自治体間競争の是正と地域性の重視が図られました。
参考:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて(通知)」
2025年10月以降もふるさと納税はお得に使える?
ポイント付与が禁止された後も、ふるさと納税の基本的なメリット——実質自己負担2,000円で返礼品が受け取れる税額軽減制度——は変わっていません。
クレジットカード決済時の通常ポイント(カード会社が付与するポイント)は引き続き対象外のため、普段使いのカードで寄付することで一定のメリットを維持できます。
廃止後にどのサイトを選べばいいか、各ポータルの使い勝手・対応決済・ワンストップ特例対応などを比較した内容は下記の関連ページをご参照ください。
関連ページ:ふるさと納税サイトのおすすめ比較!選ぶ時の基準や使い分け方法も解説!
よくある質問(FAQ)
Q. 2025年10月以降、ふるさと納税でポイントはまったく付かないのですか?
A. ポータルサイト独自のポイント付与は禁止されました。ただし、クレジットカード決済時のカード会社通常ポイントは引き続き付与対象です。
ポイントサイト(ハピタス・モッピー等)経由のポイントも2025年10月1日以降は禁止されています。
Q. なぜ施行のタイミングが2025年10月だったのですか?
A. 総務省は2024年6月28日の告示で方針を発表し、自治体・ポータルサイト・利用者が準備できる約1年の猶予を設けたうえで、2025年10月1日を施行日としました。
Q. 2026年10月の地場産品厳格化で、どんな返礼品が影響を受けますか?
A. 区域内で付加価値の過半が生じていない加工品や、産地証明が困難な品が対象になる可能性があります。地場産品の定義が明確化されることで、返礼品ラインナップが絞り込まれる自治体も出てくる見込みです。
関連ページ:個人事業主がふるさと納税を利用した場合の限度額は?シミュレーションも実施
まとめ
本記事では、2025年10月の規制に至った理由・背景と、2019年以降の規制の歴史を中心に解説しました。一連の規制はいずれも「地域応援」という制度本来の趣旨を守るための整備です。
制度変更の全体スケジュール(2025〜2027年)の詳細は下記関連ページで、廃止後のサイト選びは別記事でそれぞれ確認できます。ぜひあわせてご活用ください。